レスポール

レスポールといえばフェンダーのストラトキャスターと並びエレキギターを代表するギター存在です。

元々はジャズギタリストのレス・ポールのシグネイチャーモデルで、ジャズ用に開発されたギターなのですが、54年から60年までのオリジナルは当時人気がなく、60年代にエリック・クラプトンやジミー・ペイジ等のロックレジェンドの使用により一気にエレキギターを代表するギターになったのはここで語るまでもありません。

今では一般的にはレスポール=ロックギターと認知されていますが、元々ジャズギターだけあってクリーントーンも大変魅力的なギターです。

フロントピックアップの甘いクリーントーンから、リアピックアップでエッジの効いたサウンドはシングルコイルのストラトやテレキャスには無い魅力が詰まっています。

(もちろんストラトやテレキャスもレスポールにはない魅力があり大変素晴らしいギターです)


僕は初めて手にしたギターがストラトだったのでレスポールは長らく縁がありませんでした。

初めて手にしたきっかけは十数年前に59年のオリジナルのレスポールスタンダード、所謂バーストを弾かせてもらう機会があったのが最初です。

それまでは僕にとっては全く興味が湧かないギターでした。

多分演奏していたジャンルにも関係したのでしょう。

当時、所有していたTwo-Rockのアンプにプラグインした本物のバーストは衝撃でした。

オリジナルの59年はそれ一本で家が立つ程のお値段なので当然買えるわけはなく、そこで同時に弾かせてもらったのがGibson Custom Shopのヒストリックコレクション(通称ヒスコレ)でした。

オリジナルとはやはり音は全然違ったのですが、一気にレスポールに熱が入った僕にはヒスコレでも十分過ぎました。

そして早速手に入れたのが2008年の59年モデルのレモンバースト。

ハードロックメイプルトップのグロスフィニッシュという今ではあまりお目にかかれないモデルでした。

渋谷にある某大手楽器屋に自分のアンプを持参して、レモンバーストに絞り10本以上弾き比べをして気に入った一台でした。

大変気に入っていたのですが、当時一緒に演奏していたミュージシャンからはことごとく不評で、実戦で使う機会が無くなって泣く泣く手放しました。

そこから再びカスタム系ギターに行くも。やはりレスポールの魅力は忘れられず、後に2013年モデルを購入。

2013年の59年Agedモデル。

2008年と比べ仕様もだいぶアップデートされていて気に入った一本でした。

ただプレイアビリティにストレスを感じ別れを告げる事になりました。

ここからしばらくまたSuhrやXotic等のカスタム系ギターに傾倒します。

そこから数年、結局自分は所謂ヴィンテージトーンが好きなんだと再認識して昨年フェンダーマスタービルダーのテレキャス、ストラトそれぞれ良い一本に出会いました。

となればやはりレスポールもということで2020年製の59年モデル。

以前の2台はレモンドロップだったけど今回はウォッシュドチェリーサンバースト!

本当は2019年製の60周年アニバーサリーを求めて楽器屋さんに行ったのですが、見た目が気に入った何台かをピックアップして試奏して気に入ったのがこの2020年製の一本でした。

2013年も素晴らしかったけど、年々アップデートを重ね更に良くなっています。

アップデートはパーツや製法や細かいディテールなどオリジナルに年々近づいているのですが、個人的には作りも良くなっていると思います。

巷では旧代理店までは良かったけど今のは駄目とか、材は90年代の方が良いとか色々な情報がありますが、そもそも比べる基準が曖昧で、比較する必要もないと個人的には思っています。

そう言った意味では2008年も2013年もそれぞれ良いギターだったな。

自分の中で思い出としては残っているけど、手元にないので弾けないのは少し寂しい気がします。

今後、ヒスコレがどんな風にアップデートされて行くのか楽しみですね。

Tadanori Tanaka Web Site

ギタリスト田中匡典のホームページです。

0コメント

  • 1000 / 1000